こんにちは!クマった商事の広報担当、熊田久真子(クマ子)です。
実は私、沼の魅力に完全にハマってしまった沼ガールです。
そこで私は各地の沼を訪れ、沼を一周歩きながら自然の美しさや地元の特色を再発見するプロジェクト、「沼ガールプロジェクト(NGP)」を始めることにしました。
前回は西印旛沼を一周しましたが、今回は北印旛沼です。
北印旛沼は成田市、印西市、栄町にまたがるエリアに位置し、観光スポットとしての魅力にも溢れています。
印旛沼はかつてW字型の広大な沼でしたが、戦後の干拓により北印旛沼と西印旛沼に分割され、面積は大きく減少してしまいました。
それにもかかわらず、印旛沼は現在でも千葉県内で最大の湖沼として、その広さを保っています。
北印旛沼へのアクセスと秘境探索の準備
今回はJR成田線の安食(あじき)駅に降り立ちました。休日の午前中に訪れると、ローカル線駅ならではの長閑な雰囲気が楽しめます。私が到着したのは土曜日の11時過ぎです。
駅前には広々としたロータリーがあるものの、店舗はほとんどありません。しかし、大型ドラッグストアとコンビニがあるため、秘境探索に向けた物資調達には困らないでしょう。
この記事で紹介する、安食駅を11時過ぎに出発して北印旛沼を時計回りに一周するルートでは、ちょうどお昼過ぎに北印旛沼で唯一飲食店が集まっている観光スポットに到達します。
しかし、特に北印旛沼の西側は民家も店舗も自動販売機もないエリアが延々と続くため、水分の準備はしっかりとしておく必要があります。
北印旛沼への道
さて、ここから北印旛沼までは歩いて約30分程度です。
県道を進み、長門川沿いを歩いて酒直水門を目指します。左手には広大な水田地帯が広がります。桜の時期なら、とても綺麗な景色が広がるでしょう。
広大な水田地帯の景色、時折聞こえる成田線の音、長門川の流れを楽しみながら10分程度歩くと酒直水門に到達します。
今回はここを起点として、北印旛沼を時計回りに一周します。
想定外の迂回路と広がる水田地帯
酒直水門から長門川沿いの道を南下し、北印旛沼の一周を開始しました。
しかし早速、想定外の事態が発生しました。Googleマップでは読み取れなかったのですが、沼沿いの道は管理専用道路で一般車両通行禁止となっていました。
歩行者に関することは書かれていませんでしたが、ロープが貼られているので通行は諦め、沼から少し離れた道を歩くことにしました。
左右には広大な水田地帯が広がり、見渡す限りの緑が広がる風景に圧倒されます。
しばらく歩くと用水路に差し掛かりました。おそらく農業用に人工的に作られたものだろうと想像しながら歩き続けます。さらに進むと、正面に巨大なタンクが見えてきました。
北印旛沼の灌漑システム:白山甚兵衛機場
ここは白山甚兵衛機場という灌漑施設です。
あの巨大なタンクの中には北印旛沼から汲み上げた水が入っており、この水を周囲の水田に分配することで、稲作が行われています。
また、水田からの排水を直接北印旛沼に流すのではなく、この水路を通して再利用することで、水を効率的に使い、北印旛沼の水質も守っています。
北印旛沼周辺には他にも多くの灌漑施設があり、印旛沼一帯がいかに豊かな水田地帯かということがよく分かります。(印旛沼の灌漑の仕組み_水資源機構)
しかしこの灌漑システムが完璧に整備されている北印旛沼は、沼の姿がほぼ見えません。見えるのは広大な水田と用水路のみ。私のような沼マニアには少し残念でもあります。
卵自販機のお店:たまごのお店 むこたま 成田北須賀店
さて、沼の姿を一度も見ることなく水田の中を歩き続けること1時間強。ようやく北印旛沼で唯一、飲食店が集まる観光スポットに到達しました。
まず訪れたのは「たまごのお店 むこたま 成田北須賀店」です。コンテナを改造したオシャレな店舗で、たまごを使った様々な商品やスイーツ、ソフトクリームを販売しています。(公式サイト)
店内は清潔でエアコンが効いており快適です。卵の自販機には千円札が使用できるのも嬉しいポイントです。地元の新鮮な卵を販売しており、私も購入しました。
卵をふんだんに使用したソフトクリームは黄身の色がしっかりついていて黄色っぽく、見た目は濃厚そうですが、実際にはさっぱりとしてみずみずしい味わいです。
たくさん歩いて喉が渇いていたので、ゴクゴク飲むようにあっという間に頂きました。
今回、私は「農場たまご」をお土産に購入しました。
さて、私はこの後20km程度歩く予定ですが、この卵をどうやって持ち帰るでしょう?
秘境探索中に美味しい卵を見つけてしまった場合、徒歩でも割らずに自宅まで持ち帰るとっておきの裏技と、農場たまごの実食レビューをこちらの記事にてご紹介しています。
自然とリラックスのオアシス:甚兵衛公園
たまごのお店から徒歩2分ほどで、北印旛沼では唯一の公園である「甚兵衛公園」に到着します。
公園内には美しい松の林や梅林、広々とした芝生エリアが広がっており、テーブルや椅子も設置されており、リラックスした時間を過ごせます。この日は紫陽花の花が美しく咲いていました。
目の前にはコンビニや有名なラーメン屋さんもあので、ここでの休憩は必須です。無料で利用できる駐車場も完備されているので、自動車で訪れる際の観光スポットとしてもおすすめです。
地元の味を堪能:印旛沼漁協 水産センター
おすすめのランチスポットは「印旛沼漁協 水産センター」です。店内は懐かしい雰囲気の食堂風で、地元の新鮮な食材を使った料理が楽しめます。(千葉県による紹介サイト)
北印旛沼の代表的な名物であるうなぎの他に、ナマズやドジョウ料理も提供されています。今回は、ナマズ天丼にチャレンジしてみました。サクサクの衣とふわふわのナマズが絶品でした。
新鮮な食材をリーズナブルな価格で楽しめるので、旅の途中にぜひ立ち寄ってみてください。観光気分も抜群に上がるのでおすすめです。
ナマズ天丼の詳細はこちらの記事で紹介しています。
ファミリーで楽しめる北印旛沼のレジャーパーク:谷養魚場
家族連れで楽しむなら、谷養魚場がおすすめです。
ここはその名の通り養魚場で、小さな金魚から数万円する錦鯉までが販売されています。色とりどりの鯉が泳ぐ光景は見事で、子供たちも大喜びです。(公式サイト)
池では鯉の餌やりができ、小さな遊園地エリアもあります。
また、パターゴルフ場や釣り堀、軽食や飲み物を提供するレストハウス、本格的な川魚料理のお店もあり、休憩を挟みながら一日中楽しむことができる観光スポットです。
谷養魚場の詳細はこちらの記事で紹介しています。
魅惑の秘境:淺間神社
沼の周辺には秘境感あふれる神社もあります。崖のような階段を登っていくと現れるこの神社は、静寂と美しい自然に囲まれ、訪れる人々に癒しを与えてくれます。
淺間神社は、その入口からして冒険心をくすぐります。苔むした鳥居をくぐり、木々に囲まれた石段を登ると、静かな森の中にたどり着きます。
神社自体は小さいですが、その場所はまさに神秘的で、まるで別世界に迷い込んだかのような感覚を味わえます。
道中は少し険しいですが、自然の美しさと静けさが心を落ち着かせてくれます。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してみてください。
再びの想定外:淺間神社からの再出発
さて、淺間神社は北印旛沼東岸の最南端付近にあります。北印旛沼の観光スポットは「たまごのお店」から「淺間神社」の間に集中しているため、あとはゴールまで歩き抜けるのみです。
私はここから宗吾北機場を横切り北印旛沼西岸へと出る一周コースを進んでいましたが、再び想定外の事態に遭遇しました。巨大な水たまりが道を塞いでいたのです。
少し頑張っては見ましたが突破は困難と判断。仕方なく1kmほど南方にある平方橋まで大回りすることにしました。これで2km余計に歩くことになり、日没までのゴールが厳しくなりました。
この日、すでに沼の周囲を18km近く歩いてきたのに、まだ北印旛沼を見ていません。
体力も時間も、残りの水も心許なくなってきましたが、このエリアには店舗も民家もなく、自販機すらないことが不安を募らせます。もちろん安くことなく歩き続けます。
印旛沼サイクリングロード:唯一の北印旛沼ビュースポット
京成線の高架をくぐり、東橋を渡ると印旛沼サイクリングロードがありました。この道ならば速度を上げて歩けるものの、自販機に出会う可能性がほぼ無くなるというリスクがありました。
しかし、この選択は正解でした。北印旛沼周辺で唯一沼の景色を見られるのは、結局このサイクリングロード上だけでした。
曇り空の夕方で写真映えがイマイチなのが残念ですが、20km以上歩いてようやく北印旛沼の姿を見ることができました。今まで最も到達に時間のかかった秘境です。
夕方の北印旛沼:そしてゴールへ
夕暮れ時、サイクリングロードには人も自転車もおらず、静かな道を進みました。鳥たちが眠りにつく中、体に蜘蛛の糸がまとわりつくのを感じながら歩き続けました。
この道を選んだことで、沼を眺めながら歩きやすい道を引き当てたことが唯一の幸運でした。
すでにこの日の歩行距離は22kmを軽く超えましたが、体力の限界に挑みながら進みました。長門川を北上し、左手に夕焼けを眺めながらゴール地点へと進み、ついにゴールしました。
今回の探索で歩いた距離は24.69km、所要時間は6時間弱でした。
まとめ
北印旛沼の一周ハイキングは、自然の美しさと地元の魅力を存分に楽しむことができる素晴らしい体験です。
広大な水田地帯や歴史的な灌漑施設、地元の美味しい卵や新鮮な食材を味わえるスポットが点在しており、家族連れでも楽しめるアクティビティも豊富です。
駐車場が完備された観光スポットが多いので、自動車で訪れる方は西印旛沼とセットで観光プランを立てるのもおすすめです。
都会の喧騒から離れてリフレッシュできる北印旛沼の観光は、誰もが楽しめるおすすめの場所です。
ぜひ訪れて、その魅力を体感してみてください。
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