最近、中国四川省のジャイアントパンダ保護研究センターで元気に暮らしている「シャンシャン」が、日本国内で再び注目を集めています。
そこで、パンダの名前に見られる「音の繰り返し(シャオシャオとかレイレイ)」について、その背景にある文化的意味を探ってみましょう。
多くの日本人は、このような「音の繰り返し」を中国特有のもの、あるいはパンダ特有のものと考えがちですが、実は日本の文化の中にも同じような使用例が数多く存在します。
日本と中国の「音の繰り返し」文化
「音の繰り返し」は、中国語や日本語で名前を親しみやすくするための一般的な手法です。シャンシャンやリーリー、シンシンのような名前は、その響きから自然と親近感が湧きます。
これは親しみやすさや愛らしさを表現する文化的な表現手法であり、言葉のリズムと響きを通じて聞く人に対して穏やかな印象を与える効果があります。
日本でも「ケンケン」「マイマイ」とか、「音の繰り返し」を使ったニックネームが存在します。
(あくまで一例です)
しかし日本文化においては、この「音の繰り返し」が必ずしもポジティブな印象だけをもたらすわけではありません。
例えば「ぜひぜひ!」と返事をした場合には相手に積極的な印象を与えるかもしれません。
しかしこれが「はいはい」と返事をした場合は相手に消極的な印象を与える可能性があります。
これは繰り返しが場合によってはネガティブなニュアンスを帯びることがあるという、日本特有の文化的現象です。
音の繰り返しの多様な解釈
一方で、赤ちゃんの「ハイハイ」やラーメン店での「マシマシ」など、繰り返しはその文脈に応じて多様な解釈が可能です。
「ハイハイ」は子どもの成長と探求心を象徴するポジティブな言葉と言えます。「赤ちゃんがハイ(這い)した!」よりも「赤ちゃんがハイハイした!」の方が単純に可愛いですよね。
一方、ラーメン店などにおける「マシマシ」は可愛くない状況を期待して使用します。
「マシ」よりも穏やかな量を期待して「マシマシで♪」と可愛らしく店主に注文しも、その意図は全く通じることなく、逆に想像を絶する量が運ばれてくることになるでしょう。
文化的共鳴と注意点
このように日本と中国の間で共有される「音の繰り返し」の文化は、親しみやすさや愛らしさを表現する手法として広く使われています。
しかし日本文化内でのその使用は、時と場合によってはネガティブに受け取られたり、意図したよりも強い印象を与えたりすることがあるため、注意が必要です。
まとめ
シャンシャンの名前から始まるこの話題は単にパンダに関するものではなく、言葉が持つ力と文化を超えた共鳴について考えるきっかけを与えてくれます。
日本と中国の文化において「音の繰り返し」が持つ意味は、それぞれ独自の文化的背景と状況に根ざしていますが、基本的には人々に親しみや愛情を感じさせるために使われる共通の手法です。
その一方で、文化的な違いによって同じ「音の繰り返し」が異なるニュアンスを帯びることもあります。
このような違いを理解して適切に言葉を使うことは、異なる文化間でのコミュニケーションをより豊かにするために重要です。
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