東京都台東区に位置する浅草は、その歴史ある街並みと文化で知られています。休日の浅草は人で溢れかえり、どこもかしこも観光客でごった返しています。
この日、私は浅草の街を散策していました。
この際の様子はこの記事に掲載しています。
そんな日に、ふと美味しいものを求めて歩いた私は、東武浅草駅方面へと足を運びました。秘密の入り口から潜り込んだ先に広がるレトロ地下街、それが「浅草地下商店街」です。
急な階段を下りた先にある「そばうどん 文殊 浅草店」は、このレトロな世界で食を楽しむにはぴったりの場所でした。
店内は多くのお客さんで賑わっていましたが、立ち食いスタイルのおかげで回転は早く、あまり待たされることはありませんでした。
古き良き駅そばの雰囲気を醸し出すこの店で、私はかき揚げそばを注文しました。
470円、もちろん支払い方法は現金のみです。
店はちょうど客が入れ替わりタイミングだったらしく、料理を待っているのは私を含め2名のみ。2分もあれば提供されるでしょう。しかしどうも時間が掛かっているように感じます。
大将が調理している姿も私からは見えています。
駅そばにしてはやけにしっかり作ってくれている気がする。
後から思えば、私はこの時点で違和感に気付くべきでした。
とはいえ下調べもせずに飛び込んでしまったので、何の知識も情報もありません。
私にできることは、ただ楽しみに待つことだけでした。
そわそわしながら待つこと数分、やっと私のかき揚げそばが着丼しました。
見た目はシンプルかつ無骨ですが、駅そばらしい素敵なワクワク感を醸し出しています。
まずはかき揚げをヒタヒタ。
この瞬間も私の周辺環境はこの地下街のレトロな世界観に包まれています。当然、昔ながらの駅そば的な味を想定してかき揚げそばと対峙します。
しかし、この蕎麦はその期待をいい意味で完全に裏切るものでした。あれ、何だこれ?
麺は少し柔らかめでとても長く、喉越しは最高、優しい味わいの本格的な蕎麦でした。
美味い!ちゃんと美味い!
何とこの蕎麦は無添加で自家製麺とのこと。
立ち食い店舗にてしては少し調理に時間が掛かっていた事も、ここでやっと理解しました。
駅そばの麺がこんなに長いなんてこと、普通はありません。
かき揚げは揚げたてでこそありませんが、具材がたっぷりで甘みがあり、非常に美味しかったです。
あのやっつけ感満載な駅そば特有のかき揚げではありません。本物です。
ちゃんと美味しい!
つゆは関東風の濃いめで、鰹出汁がしっかり効いていて体力勝負の男性客が多い(であろう)この店では、客に満足感を与えて来たのでしょう。
この「そばうどん 文殊」は、東京で最も歴史のある地下鉄銀座線の改札横で営業を続ける店舗です。長い年月をかけて東京の男達の胃袋を満たしてきたのだと実感しました。
食事をしながら周囲のレトロな環境に浸ると、時間がゆっくりと流れていくような感覚に陥りました。カウンターに置かれたラジオから流れる放送が、その雰囲気をさらに高めてくれました。
浅草を訪れた際には、ぜひ「そばうどん 文殊」で一風変わった食体験をしてみてください。この店は、レトロ好きな方はもちろん、美味しい蕎麦を求めるすべての方におすすめできます。
意外な発見と美味しい驚きがあなたを待っているかもしれません。
この記事の内容はYouTubeでも紹介しています。ぜひご覧ください。
コメント