メルカリで取引中、出品者から「返品は不要です、そのままあげます」と言われて戸惑ったことはありませんか?あるいは出品者側として「返送は不要」と伝えたい場面もあるかもしれません。
この記事では、メルカリ返品にまつわる“そのままあげる”という対応が本当にアリなのか、出品者・購入者それぞれの立場から注意点と伝え方を解説します。
実際に使える例文も紹介しているので、トラブルを防ぎながら気持ちよく取引を終えるための参考になるはずです。
出品者へ:「返品は不要」と伝えたいときのポイント
返品には住所の開示や送料の負担が発生する
メルカリで「返品希望」が来たとき、出品者側にとって大きな負担になるのが「住所の開示」と「送料の負担」です。
匿名配送を使っていた場合、返品を受けるには自分の住所を相手に伝える必要があり、それに抵抗を感じる人は多いはず。
さらに商品が数百円〜数千円の低単価商品であれば、送料の方が高くついてしまうことも。「返品を受けるくらいなら、そのまま差し上げた方が合理的」。
こうした判断から「返品は不要、そのままお持ちください」と伝えたくなる出品者は少なくありません。実際、これはメルカリの運用上も問題ない対応です。
「あげる」対応は規約的に問題ない?メルカリの処理の流れ

返品をせずに商品を手元に残したまま取引をキャンセルする対応は、メルカリの規約上も認められている運用です。
出品者と購入者の双方がメッセージ上で合意し、その証拠が明確であれば事務局もキャンセル処理を受け付けてくれます。
キャンセルが成立すれば取引は「なかったもの」として扱われ、評価も付きません。つまり「返品なし」「キャンセル処理」「評価もなし」というシンプルな終わらせ方が可能です。
「そのままあげます」という選択肢は規約に違反するどころか、状況次第では最も合理的な方法とも言えるのです。
トラブル防止のための丁寧な伝え方と記録の残し方
「返品は不要です。商品は差し上げますのでキャンセル処理を行います」と伝える際は、できるだけ丁寧で相手への配慮が伝わる言葉を選びましょう。
たとえば、こういった伝え方であれば相手の判断に委ねながらも出品者側の配慮と意図がきちんと伝わります。
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このたびはご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。もし可能であれば、返送のお手間をおかけするのも心苦しいため、こちらでキャンセル処理をさせていただき、商品はそのまま処分いただければと思っております。もちろん、返品をご希望の場合はすぐに対応いたしますので、お気軽にお知らせください。
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メルカリでは、取引中のやり取りはすべて取引メッセージ上で行うのが原則です。そのため、「このままキャンセルで構いません」など、購入者の同意も取引メッセージ内にしっかり残しておきましょう。
取引メッセージは後から編集や削除ができない仕様なので、トラブル防止の証拠としても有効です。念のため、大事なやり取りの部分はスクリーンショットで保存しておくと、万が一のときにも安心です。
購入者へ:「返品不要」と言われたときの対応方法
もらっていいの?詐欺じゃないの?と感じたら確認すべきこと
出品者から突然「返品しなくていいですよ、そのままあげます」と言われたら、戸惑うのは当然です。「え、詐欺なの?」「変なものが届いたのでは?」と不安になる気持ちもよくわかります。
特に高額商品や、衛生的に気になるアイテム(化粧品・食品など)であれば慎重な判断が必要です。
ただしメルカリでは返品時の送料や住所開示を避けたいという理由で“あげる”対応を選ぶ出品者も少なくありません。
まずは商品の状態を改めて確認し、「納得できる内容かどうか」を自分なりに判断することが大切です。
納得できるなら、もらって終わるのがラクな選択

もし商品に大きな問題がなく、自分でも納得できる状態なら「返品せずにキャンセルしてもらう」方が手間がかかりません。
返品処理には梱包・発送・到着確認など、意外と時間と労力がかかります。その点、出品者と合意してキャンセルになれば評価も不要で、お金もすぐに返金されます。
メルカリ事務局の対応もスムーズで、手続きが面倒だったという声はあまり聞きません。
「まあこのくらいならいいか」と思える内容であれば、そのまま受け取って終わらせるほうが精神的にもラクな選択肢になるかもしれません。
逆に注意すべきケース(大型ごみ・危険物など)
とはいえ、すべての「あげます」に応じていいわけではありません。
たとえば粗大ごみレベルの大きな家具や処分に費用がかかるもの、あるいは電化製品で通電に不安があるようなものは慎重に対応するべきです。
また薬品やバッテリーなど扱いにリスクがある商品を「もらって処分して」と言われた場合は、断るのが正解。
「あげます」と言われたとしても自分にとって不利益が大きければ、事務局に連絡して返品対応を求めることができます。大切なのは「自分が納得できるかどうか」。それが判断基準です。
返品を巡る“合理的な終わり方”とは?
送料が商品代より高いなら、あげる方が現実的
メルカリでの返品対応をめぐって出品者は「返品してほしくない」、購入者は「返品したくない」と思っていることも少なくありません。
特に商品価格が数百円〜数千円程度の低価格帯であれば、着払いで返品された場合、その送料の方が商品価格を上回ることもあります。
加えて、梱包・発送・確認・事務局対応など、両者にかかる手間も小さくありません。こうした場合、「もらってもらう」ことで取引を終わらせる方が合理的。
お互いに無駄な労力やコストをかけず気持ちよく終わらせる手段として、“そのままあげます”という対応が現実的な選択になることは少なくありません。
キャンセル処理で取引履歴も評価も残らない

「返品なしでキャンセル」という対応に双方が合意した場合、メルカリではその取引自体が“なかったもの”として処理されます。
つまり取引履歴には残らず、評価も付きません。これは出品者・購入者のどちらにとっても心理的なダメージが少なく、あとを引かない終わり方になります。
特に出品者にとっては「悪い評価がつくかもしれない」という不安から解放されるため、トラブルが大きくなる前に合意して終わらせるという選択は、ある種のリスクヘッジとも言えるでしょう。
評価がない=関係性が残らない。この軽やかさが、キャンセル処理の最大のメリットです。
納得して終わることが、何よりも重要
返品するか、しないか。あげるのか、返すのか。どちらの選択にも正解はありません。大切なのは、お互いが「この終わらせ方で納得できるかどうか」です。
商品に問題があっても、状態を確認して納得できるならそのままもらって終わるのもいいでしょう。逆に「これはちょっと…」と思うのであれば、素直に返品を希望して調整を申し出るのも大切です。
取引のトラブルに正解はないからこそ「気持ちよく終われること」が最優先。ルールよりも合意と納得。それがフリマアプリでストレスなく取引を終えるための一番の知恵かもしれません。
まとめ

メルカリでの取引は匿名性が高く、やり取りも短期間。その分、お互いの思い違いや判断のズレがトラブルにつながりやすい場でもあります。
「返品は不要です。そのまま差し上げます」と伝えることも相手を思っての配慮だったり、現実的な判断だったりします。
けれど言い方ひとつで印象が変わり、逆に不信感を与えてしまうこともあるのが難しいところ。
この記事では、そんなときにどうやって丁寧に伝え、どうすればお互いに気持ちよく終われるかをまとめました。大事なのはトラブルを防ぐための誠実な姿勢と、納得できる終わり方。
正解はひとつではありません。でも「ちょっと面倒なやり取りを穏やかに着地させる」ためのヒントが、この記事のどこかにあれば嬉しいです。
メルカリを使うすべての人が、少しでも気持ちよくやり取りを終えられますように。
編集後記

今回は「メルカリ返品でそのままあげるのはOKか?」というテーマで記事を書きました。
私自身メルカリ歴は長く、取引件数はすでに3,000件を超えています。どちらかというと出品専門で、購入は片手で数えるほど。返品トラブルは滅多にないのですが、それでも一定数「返品したい」という依頼は来ます。
メルカリ最大特徴である匿名配送はとても便利な仕組みですが、返品となると自分の住所や本名を相手に伝える必要がある。それだけで心理的ハードルが上がります。さらに送料を負担してまで返品を受けても、利益なんてほぼ消えてしまうのが現実。
だからこそ「もうそのまま処分してください」と伝える対応は、ある意味で最も合理的な選択肢だと思っています。私もこれまでこの方法でトラブルになったことは一度もなく、むしろ感謝されることすらあります。
相手にとっても返品の手間が省けてお互いにスムーズに終われるなら、それで十分。「返品してもらう」ではなく「商品を手放して終わらせる」という考え方、ぜひ参考にしてみてください。
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